ハングル能力検定協会より、問題文を載せるなとクレームがきたので、
その部分を削除しました。
[3級・筆記試験の解説・講評]
―前回との比較―
<難易度>前回程度(問いによって差異はあり)。
<問題語数>前回と同じ程度。
<問題内容>前回と変わらず。
여러분,안녕하십니까?
今回の問題を振り返っていきましょう。
第1問の音声問題で採り上げられた項目は、3級で問われるもので、
ㄹの鼻音化・パッチムの子音化・合成語の濃音化
です。
前回は、
ㄹの鼻音化・パッチムの子音化・漢字語ㄹ直後の濃音化
で、ㄹの鼻音化・パッチムの子音化の出題がほぼ恒例なので、
対策がしやすい一方で、ここは自分で発音通りの表記を書けるようにしておきましょう。
1)정리[整理]は、発音問題で初採用ですが、
ㄹ の鼻音化について、自分達日本語ネイティブが文字のまま発音しようと思えばできる中、
日本語にもこれと同じ例があります。
例)「わか‘ら’ない」 → 「わか‘ん’ない」
「そうな‘の’だ」 → 「そうな‘ん’だ」
日本語では『撥音化(はつおんか)』と呼ばれるルールです。
そして、2)のパッチムの子音化(‘絶音化’ともいわれます)で、
でも、몇 월<며 둴>は今や、聞いて分かる句のはずです。
ただ、音ではおなじみでも、発音通りの表記は?と考え込んでしまうかもしれませんね。
ちなみに3)は、
〔발 + 가락(細長い棒状のもの)〕
で出来ている合成語で、合成語であることを音で表すために、
個の発音ルールが動きます。
このように、この発音変化が起こり理由も知ってはおきたいですね。
韓国語語句の成り立ちを掴めるようになります。
では第2問の語彙問題です。
1)の正答 웃음 は 웃다 の名詞形です。
同じ 웃 があっても、③ 이웃 は「隣家,隣人」です。
次の2)などは、今までの4級とこの3級で世界が変わることを実感させる例だと思います。
こういうのが求められているんですね。
そして3)で恒例の副詞問題は、‘副詞’なので、該当日訳だけ覚えて終わりにせず、
修飾する用言の種類とセットで押さえたいです。
さらには、修飾用言の時制も決まっているので、それも一緒に覚えると最高です。
正答④ 도대체[都大体]は、後続に文中の疑問語尾 ㄴ/는지 を置くことが多いです。
その他の不正答選択肢語で特徴的なのは② 비록 で、
<反対関係>の接続表現が後に続きます。
ちなみに5)の④ 궁금하다 を、時に「心配だ」と解釈できるようにしましょう。
では第3問・接続表現問題で、恒例の助詞問題1)で、
( 10 )直前の 뭐 を前に置けるのは①③だけなので、すでに2択です。
直訳は「何‘と’いうべき言葉が無い」ですね。
そして3)での ㄴ/는다고 해서 は、아/어서 でも、
問題文のように、後文に否定表現があると反対関係を結びます。
まあ、突き詰めれば、これが後続の否定表現を修飾しているとも解釈できるので、
やはり因果関係といえるかもしれませんが。
そして4)の④ 자마자 は、後文が過去時制になるのも見逃せません。
最後の5)は、안 오다 を否定しなければならない中、
それができるのは④ ㄹ 리가 없다 だけですね。
ちなみに、接続表現問題については、
この3級と次の準2級で重なっている部分が結構あるので、
その傾向も利用しましょう。
そんな中、ここ数回の出題では、語句の知識を重点的に訊き、
その分接続表現の正誤判断にかかる負担を減らしているところが見られます。
文法を問う接続表現問題でさえも、協会が宣言した、これからの出題傾向を色濃く反映しています。
一方で、同じ韓国語系検定試験のTOPIKではご存知の通り、
文法を司る語句の知識を訊いてくるのは少なく、
扱われるものは、ハン検でならここ3級を中心とした接続表現が出題されますね。
TOPIKは、多めの問題を解かせることで実用韓国語力を測るのと共に、
論理的な会話・文章の理解と作文を使って、
韓国語を通じた論理的思考力と表現力を測定するのがメインなので、
より汎用性が高いものが採用されているところから、
中級(3級・4級),高級(5級・6級)を認定するにおいても、
あのように取っつきやすい語句,表現が出題されていますが、
日本語と文法が酷似していることは、あらためて大いに活かしたいものです。
では、第4問の入れ替え問題です。
1)の 취소[取消] は、日常日本語でいう「キャンセル」で、
3)の慣用句は、直訳しても意味が分かりますよね。
日本語にも「口外する」というのがあります。
そして4)は、問題をうまく作ったなと思いました。
このような想像力を、講師は欲しいです。
いや、これも論理的思考力かもしれません。
続いて第5問の同義語問題で、2)もこれまた‘うまい’出題です。
1つめの文なんかは、こういうのでよく設定されるのが、
「(財布を)無くす,忘れる」の類なので、そう思い込んでると迷ってしまいます。
でも、참다 でいいと思い出しました。
これはつまり、財布を落とさないようにどこかで押さえる、
といった動作を表します。
続いて第6問の会話文問題です。
2)の各選択肢で、前半部分が同じですね。
解答は後続のA2つ目に合わせます。
それにしても、ここ最近の会話文問題は、
これもこれで、単なる語句知識を訊くものに変わってきました。
具体的には、発話前後での、単純な言い換えです。
続いて、第7問の漢字音問題です。
最近は日本語と韓国語の漢字音にある対応関係が扱われたりしますね。
例外が多く存在し、まだ完全に体系化されてはいませんが、
一応便利なので有効利用しましょう。
それを駆使すれば、最近テキストやラジオ講座でも紹介される例(一部例外あり)の、
日本漢字音「い」「う」 = 朝鮮漢字音 ㅇ
日本漢字音「ん」 = 朝鮮漢字音 ㄴ,ㅁ
をはじめ、未知の漢字語も読み取れたりするし、
この漢字がなぜ韓国語で(朝鮮漢字音で)こうなるかも分かるので、
より実感できて覚えられます。
ただ、3)부[副]が要注意で、韓国語の漢字音(朝鮮漢字音)で、
パッチム(末尾の子音)が消える例外の一つです。
そして、正答の 부[否] は、日本漢字音で「ヒ」なのに、
朝鮮漢字音では2つ持つという、韓国語では珍しい漢字です。
ただ、使われるのは圧倒的に、字の中に「不」とあるくらいですから부 です。
ここでは、부[副]と 부[否]と結び付けるところまで、
当校の講座で的中しました。
余談で、ある方が、
「韓国人が漢字をそんなに使わないんだから、いちいち漢字まで見なくていいじゃないか!」
と半ギレ気味におっしゃいました。皆さまはどうお考えですか。
それでは、大問が3つある文章問題です。
はじめに、問題文を読む前に問いを読むという作業をしつつ、
今回は前回同様、文脈を問う穴埋めと内容一致がメインです。
通常は、はじめに問いを確認し、選択肢は見ずに問題文を読み始めますが、
内容一致問題は、先に選択肢を見ても構いません。
問題文が長いと、選択肢を先に見るのが必須になりますが、
そうではなく短いので、好みでやりましょう。
文章問題はじめの第8問【問1】は、先の接続表現問題・第3問3)で出題されている、
ㄴ/는다고 해서 の後文に否定表現があると、反対関係を結ぶのと同じです。
( 29 )の後文に 아니다 がありますよね。
余談で(とはいえ重要です)、注釈が付いた語 즉 が、
イコール関係を結ぶことまで押さえておくと便利です。
具体的には[言い換え]で、즉 の前後が実際にそうですよね。
語句が違うだけで、内容は同じです。
続く第9問・会話文で、意味が分かると、
‘雨が降っているからチヂミを食べるってどういうこと?’
と、ピンと来なくて、場合によっては混乱しそうですが、それはさておき、
会話文でそう設定されているわけなので、あくまでその内容に合わせて解答しましょう。
【問2】の内容一致もそれが関わっていますが、
ちなみにこれは、必然的にそうというほどでもなく、
例えば夏バテしそうだから、体力を付けるためにウナギが食べたくなる、
といった類いです。
韓国人にとってもこの由来が気になるのか、質問がたくさん上がっています。
そして、第10問の文章問題を見ていきます。
【問1】の穴埋め問題は、( 33 )を含んだ文が 또한 ではじまっているのを見て、
②と選べるという、いわゆる‘テクニック’を使えば、
( 33 )を含んだ文全体を読まなくても解答できることを知っておきましょう。
解答根拠は、또한 と正答②の 도 が、同じ累加関係を結ぶからです。
講師は実際に、各選択肢で助詞が違っているのを確認し、
또한 と 도 だけを見て解答しました。
‘テクニック’と称してはいますが、日本語,韓国語を問わず、
全ての言語に通じる文脈そして『論理』を駆使する具体的方法を、
‘テクニック’といっているだけで、言葉の響きから感じられる怪しさはありません。
こうやって、時にまともに読まずに解いたりするので、
結構誤解されているんですけどね。
では、最後の翻訳問題です。
韓日訳の第11問 1)の 환전[換銭]はもうご存じでしょうか。
意味からして、旅行中に普通に見かけます。
そして、2)と3)の慣用句は、日本語直訳でも、意味を理解できますね。
こういうところは大いに活用したいです。
そして第12問・日韓訳では、2)が事実上単語で、丸覚えしましょう。
これを発する場面にあまり遭いたくないですが、ほぼこのまんま使われます。
最後の3)にある 딱 は、
[(すき間やゆとりの無い)正確な一致]を修飾すると覚えておきましょう。
そこから、トウミにあるような、いろんな日訳が導き出されます。
前回は、過去問をほぼそのまま出したという問題がありましたが、
そういう出題はこれからもあるはずです。
ハン検のように、過去問を公開している他の試験でも、
例えば英検で実際にあります。
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