ハングル能力検定協会より、問題文を載せるなとクレームがきたので、
その部分を削除しました。


[4級・聞き取り試験の解説・講評]

―前回との比較―

 

<難易度>前回並み。

 

<問題語数>前回並み。

 

<問題内容>前回と同じ。

 

 

여러분,안녕하십니까?

 

 

5級をクリアし、この4級では出題範囲がグンと広がりますね。

いろいろある中で、コアの部分は各種修飾語句(連体形,接続表現,副詞句)ですが、

確かに、5級レベルから次の段階としては、ハン検でこう設定されているのみならず、

韓国語を使うにおいても、続いて身に付けたい項目です。

 

さらに、級を問わず、ここ数年の出題傾向と、

試験主催者であるハン検協会が当校に示された公式見解から、
ここハン検では、


『語学力とは暗記力である』

と定義されました。

これには、同じ韓国語系検定試験であるTOPIKとの差別化も含まれているようですが、

とにかく主催者のこの公式見解を念頭に、この先の3級,準2級と進んでいきましょう。

ということで、聞き取り試験の出来はいかがですか。

この場で毎回確認していることとして、

まずは、問題音声をどれくらい理解できて、どう解答したかを確認しておきましょう。

俗に言う「聞いて分かる語句」の確認と、音が連なって出来た内容の理解度確認ですね。

ところで、試験問題解答のためのリスニングに限っては、
全て聞き取れなくても解答できる(しようとする)ようにしたいです。

ハン検聞き取り問題なら、正解するという目的を持って、
それのために必要な情報(ここでは[正答を出すための情報])を選別し、
背景知識も時に動員して、先を予測しながら、内容を要約する練習もしたいですね。

隅から隅まで聞き取るための練習は、これからの会話(実用韓国語)のためにです。

ハン検のリスニング練習は、

(1)全てを聞き取るリスニング練習(音読・シャドーイング・ディクテーション)

(2)試験問題解答のリスニング(正解するために狙いを定めた聴解)

この2本立てでやっていきたいです。

とにかく、これらのうち(2)を実現させるために、まず聞き取り試験の音声が流れ始めたら、

最初の聞き取り試験全体の説明(55秒)、さらには各問の説明(平均30秒)の間に、

選択肢を見ておかなければなりません。

 

現在の問題形式がもう長い間続いているので、

過去問を見ておけば、試験中の説明は注意して聞く必要が無いですね。

 

その間に、各選択肢をできる限りチェックしておきましょう。

朗読スピード自体が、5級より若干上がりますしね。


第1問は、絵説明文問題です。

【質問】も聞き取るので、それが何なのかが気になるところ、

通常、絵中の人が何か動作をしていれば、それを訊いてきます。

 

1)の【質問】がそのままですね。

正答/不正答の差は明らかです。選択肢文も、

[名詞]을/를 [動詞]고 있습니다

と定型です。

 

慣用句 도장을 찍다 の知識を訊いています。

찍다 は、<瞬間付着・接着>というコアイメージを持っています。


続く2)は、級が違いますが、第50回・3級で同じような絵が出ています。

質問はいつもと同じで、絵が前回までと違い、情報が少ないので解きやすいです。

 

ただ、その分というか、正答文は絵を言い換えています。

足を怪我した   걷지 못합니다

この 걷다 が、聞き取りにおいて気付かされたことで、

移動を表す動詞なので、通常後ろに補助動詞 아/어 가다,오다,다니다 などが付くんですよね。

すると ㄷ不規則が動き出し、聞こえてくる音が 러 です。

 

なので、このように 걷지<걷>という音から、

ここに 걷다 が入っていると反応できない方が、もしかするとおられるかもしれません。

いかがだったでしょうか。

そして3)も、前回までとは違い、登場人物が一人です。

絵から、달 は聞こえてきそうです。実際に②で聞こえてきました。

 

ちなみに、④のように、陽が出ている/沈んだ状態にも、

韓国語では主語を必要とし、날 を使います。


例)날이 점점 어두워지고 하늘은 까맣게 변했어요.
 (だんだん暗くなってきて、空は黒色に変わりました)

「暑い」「寒い」のような気温について、날씨가 と主語を置くのと同じですね。

 

他の選択肢では、パッチムのお引越し(連音化)を確認しましょう。

前回と違い、この点を集中的に訊いています。

それでも、難易度が前回より下がりました。バッチリ聞き取れましたか。


では第2問で、説明している単語を聞き取る、説明語句問題です。

問題文が正答語を説明する文なので、問題文は自然と平易になり、
これを聞き取れることが、正解への条件になりますが、
問題文の文型は、3級とやはり若干の差があります。

指示語や ㄹ 때 、引用形に注意しながら聞き取ります。

この問題は、問題文をきちんと聞き取れるかに主眼が置かれた問題です。

各選択肢語の聞き取りは、言葉を選ばなければどうでもいいです。

もちろん、それらを聞き取れてはじめて正解できますが、

これからの‘韓国語ぺラぺ~ラ’のためには、問題文をどれくらい聞き取れたかを振り返りましょう。

今回の出題では、

2)손을 씻다 = 비누

が一番のポイントでしょうか。

他は平易だったり、聞き取れなくても今は構わないものです。

前回と比べて、聞き取るべき箇所が減ったので易化しました。


では、第3問の応答文問題です。

 

応答文とはいわゆる‘問答’ですから(全てそうとは限りませんが)、

事前の選択肢チェックをバッチリやっておき、疑問詞に注意しながら聞き取ります。
そう準備しておくだけでも正解率が変わってきます。

そして、将来会話ができるようになるためにも、

筆記問題よりこれの方をバッチリ解答できるようにしたいですね。

たとえたった1往復の会話で、返答は文字で示されていてもです。

 

筆記試験での会話文問題は読解の要素が強く、実のところ形骸化している例が多いです。

他の試験では例えば、英検,中検,仏検には無いはずで(長文問題範疇の会話文は除きます)、

さらに、センター試験・英語でも、2018年度で筆記の会話文問題が無くなりました。

 

その点を協会に質問したらこのような回答が帰ってきました
ご参照ください。

とにかく、これからの3級,準2級でもそうで、

会話文問題は聞き取り試験でより理解できるようにしていきましょう。

筆記試験で仮に出来が悪くても、そんなに気になさらないでください。

筆記での会話文はあくまで‘読解’で、実際の会話とはややかけ離れていたりするからです。

 

TOPIKの読解問題で会話文が無くなったのは、その辺りを鑑みてのことかもしれません。

対日本語ネイティブに限らず、韓国語ノンネイティブ全員にとって、

韓国語の語尾表現理解が必要であるはずにもかかわらずです。

まず1)で、今回5級でも出題された、

안 좋다 =  아프다

の言い換えが採り上げられました。

次の2)は、5,000원 がポイントですね。

これに関われるのは、旅行表現でも有名な 깎아 주세요 です。

そして3)では、末尾でㄹ까요?[提案]への同意/不同意を発話している選択肢をマークします。

すると分かりやすいですね。

 

この ㄹ까요? といい、他の語尾表現もそうで、

これらが、後に続く文脈を示していることにも一応目を向けましょう。

会話ではそんなに気にする必要が無い一方で、
ここでのような試験問題解答では活用できます。

このような捉え方は4)でも有効で、ここは試験問題なので、時制の一致や話題内容、

あるいは発話の主語人称を問い質して(①③④ - 一人称,② - 二人称)、

正確な理解に努めていますが、私達はいつか、先の解法のような理屈を飛び越えて、

韓国語会話ができるようになりたいですしね。

ちなみに、4)のようなやり取りをぜひやりたいですね。

아직 멀었습니다.(まだまだです)

と解釈される理由は、日韓両語における時制概念の違いです。

 
[完了]の補助語幹 았/었 が、한국말을 잘하다 とは隔たりがある、

つまり 멀다 であることの[完了状態]を表しています。

日本語は、発話時に中心を置いて発話したがるので、「まだまだです」と現在時制で言います。

有名な文句が前回よりも集中的に採り上げられて、解答も素直なので、

やや易化しました。

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