ハングル能力検定協会より、問題文を載せるなとクレームがきたので、その部分を削除しました。


[2級・聞き取り試験の解説・講評]


―前回との比較―

 

<難易度>やや易化。

 

<問題語数>やや減。

 

<問題内容>問題形式は変わらず。

 

 

この解説で毎回確認している、ハン検・TOPIK、そして言語を問わないリスニング試験解答で必要な、

 
(1)全てを聞き取るリスニング練習(音読・シャドーイング・ディクテーション)

(2)試験問題解答のリスニング練習(正解するために狙いを定めた聴解)

(3)問題用紙記載の選択肢活用法(聞き取りと筆記では選択肢の見方が全然違う)

 

そして、上級で求められる、

 

「リスニングの読解力」

 

を鍛えて、俗に言う‘類推の力’も養いましょう。

ちなみに、

「聞き取り問題の解答速報を作るために試験会場に入った人がいるんだ」

 

「会場に忍び込んで音声を録音した」

 

「聞こえる通りに筆記してきたんだろうな」

そんなわけはないです



第1問・語句言い換え問題は、例年上級慣用句,慣用表現を訊いてきますね。

よほど、前後の文脈が無いと意味が特定できない場合を除き、メモはほぼ不要です。

というか、後続の問題で選択肢チェックをしたいので、それは時間の無駄です。

 

1)ではオノマトペア 차근차근 がポイントで、意外と出題歴が無いんですね。

1級ではあります。

◎말이나 행동 따위를 아주 찬찬하게 순서에 따라 조리 있게 하는 모양.


正答で聞こえてくる通りですね。

日常での使用頻度は結構あるので、この語の意味通り、順序よく隙間の無い動作を表す時などに使いましょう。

 

続く2)は、知らないと①③④で迷います。

この 법 はもちろん[法]で、解釈は[法]を必要としないということなんですね。

◎법의 규제가 없어도 나쁜 짓을 하지 아니하다.


冒頭で触れた、より明確になった出題方針の中で、講師個人としては、ハン検の面白さを引き続き求められるとすると、この慣用句にあるような、語句それぞれの意味背景や発想点を知ることですね。

 

3)は‘安い問題’です。この問い全体の難易度調整的に出題されたようです。

音的な紛らわしさもありません(というより、ここ数年はそんな語句が避けられています)。

③だと、場合によっては死んでしまいます😁

1)2)だけなら、難易度が前回より易化したといえますが、3)がド平易なので前回並みです。

 

ところで、前回の解説でも確認したことで、このように問題文と選択肢文を聞き取る場合、問題文と正答選択肢が離れるほど(読まれる選択肢順が後になるほど)、混乱してしまいます。

 

今回の出題では、問題文朗読から比較的近いところで正答が聞こえてくるので幸いですが、単純なところで、正答が④に配置されている場合、2級では往々にして、①~③の間で紛らわしい語句を訊いてくるので、④に至るまでにこんがらかり、正しい判断ができなくなる恐れがあります。

なので、

〔聞こえてきた語句の同義語,言い換え表現を事前に予想しておく〕

 

そして、後述の会話文問題では、

〔問題文に対して、正答選択肢は何を答えるべきかを考えておく〕


ことを、対策学習の段階から常に意識して練習しておきましょう。

聞き取り問題なので、実用韓国語にも大いに役立ってきます。


あとここでは、たとえ問題文で聞き取れなかった語句があっても、各選択肢を聞いて、それらが分かる場合もあります。

ハン検に限らない、リスニング問題解答の‘真理’です。

 

なので、そうなっても落ち着いて聞き取っていけば大丈夫です!

 


では、第2問の会話文問題です。

会話での<同じ言葉/表現のやり取り>の原則を思い出しましょう。

それに則って聞き取り解答します。

 

実際の会話では、その原則があっても、いろんな条件によって会話がどのようにも進みますが、試験問題解答では、解釈が正答というたった1つだけ認められる条件にあるので、<同じ言葉/表現のやり取り>の原則に全的に従った会話が聞こえてきます。

 

話題が変わる時も、必ずそれを明示する語句が聞こえてきます。

では、その観点から会話文を振り返ると、1)は会話内容としてまず、機械類のトラブルについてやり取りするという、聞き取り試験ではおなじみのものです。

 

1級のように1回の聞き取りならまだしも、過去問分析が済んでいらっしゃるなら、2回の朗読中にそのことを思い浮かべるべきです。ハン検における過去問の存在からすれば、ですね。


で、(  4  )に入るべき文句は、コピー機のトラブル原因を調べるか、その解決であるべきですよね。

もちろん、想像を広ければ限りなかったりして、例えばコピー自体をあきらめるとか、違う仕事をするとか、コピー機メーカーへ「どういうことやねん!?」と怒鳴り込みに行くとか…


試験問題では、会話全体の内容を踏まえ、直前の発話に<同じ言葉/表現のやり取り>の原則から、つながるものを選ばなければなりません。

それを常に思い描きながら、各選択肢の発話を聞き取りましょう。

 

先の[コピー機のトラブル原因調査]あるいは[それの解決]に当たるのは、幸いだけですね。

聞こえてくる語句一つ一つ云々というより、

“コピー機のトラブル原因を調べるか、その解決について言っているのを選ぶんだ”


ということを思い付けたかを問い質すべきと、講師は考えています。

 

では2)で、これはもしかすると解答に迷われたかもしれません。

こういう時こそ、試験問題解答としてのリスニングなので、会話全体の内容を踏まえ、直前の発話につながるものを選ぶという原則に従いましょう。

この問題については、ふたを開ければ全て接続語ではじまっています。

問題文の聴解がやや難しい分、出題者の配慮によって作られています。

歌は関係無いということですね。

たとえその前部では歌に触れているとしても、です。

 

ちなみに、問題文で聞こえて来た2ヶ所の指示語をきちんと具体解釈したかもポイントです。

韓国語は日本語と違い、同じ語句の連続使用を嫌うからです。

 

そして3)で、台本だけ見て意味が分かった方は、素晴らしい語彙力と文法力をお持ちです。

特に、새 통 봄 がそうで、語彙知識と文法からきちんと解釈されたからです。

これは逆に、聞いた方が分かりやすいです。


林周禧[임주희]先生の発話は、 で一拍置かれています。

なので、몇 년 새 でひとかたまりで、 は副詞なんですね。

このあたりは、日本語同様、語順に自由が利くことからの混乱で、本来は 입(다) の直前にあるべきです。

 

が副詞で、これが修飾できる文中の用言は 입(다)없(다) ですが、없(다) の具体説明は直前の主語 틈 がその役割を果たしているので、통 を 없(다) の直前に置く必要はありません。

 

自体はハン検での常連さんなのでいいんですが、主題者がここまで想定して 통 をこの位置に置いて問題文を作ったかはもちろん定かではなく、もしそうだったとしたら、相当の知能犯です

 

とにかく、「春服を着る間が無い」なら、①のように、もう半袖を着ているということですね。

前回よりやや難化しました。語数的にはほぼ同じです。


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