ハングル能力検定協会より、問題文を載せるなとクレームが入ったので、その部分を削除しました。

[5級・筆記試験の解説・講評]

―前回との比較―

 

<難易度>前回並み。

 

<問題語数>前回と同じ程度。

 

<問題内容>前回と変わらず。


여러분,안녕하십니까?


第1問の発音問題で主題された項目は、

 

連音化・합니다体の鼻音化・濃音化・ㅎ の弱化


で、前回は、

 

連音化・합니다体の鼻音化・濃音化・ㅎ の弱化

 

と、問われる発音ルールはここ数年ずっと、この4つに固定されています。

単語が違うだけで、問われていることは同じです。

 

1)での[합니다体の鼻音化]については、こんな大層な専門用語など関係無く、音で覚えていらっしゃる方が沢山おられると思います。

ここではルールを訊かれていて、これに限らず、[鼻音化]と呼ばれる発音変化で、

ㄱパッチム → ㅇ  ㄷパッチム → ㄴ  ㅂパッチム → ㅁ

 

という理由も、[調音点(音を出す場所)が同じだから]で納得がいきますね。

あと、3)で訊かれた ㅎ の弱化は、‘弱化’ではなく、

DSC_0022

<ㅎ が ㅇ の激音(つまり無音)>

 

としておけば、これまた納得がいきます。子音<h>ではありません。

なので、次に ㅇ があっても音に現れません。

 

これは元々、ㅇの画数を増やし、ㅎ とすることで、音は同じで、その発し方だけ違うと画的に表されています。

これを[加画の原理]といいます。

今まで学んでこられて、ㅎの発音について疑問を持たれていませんか?


“ㅎ は<h>音,ハ行の音と習ったのに、なんで消えるんだろう…”


“連音化なんていう発音ルールがあるなら、좋아요 も 조하요となるのでは?”


“부탁합니다 の発音が부타캄니다になる、そもそもの理由が分からない…”


などのようにです。

講師も学習を始めた当初は、素朴な疑問として思っていました。

講師個人的には、声を大にして言いたい解釈法ですけどね。


では、第2問・第3問の「単語テスト」です。

このサイトで毎回確認していることで、第2問のような問題を出す協会側の意図を推すると、出題された各語の綴りを、単に確認しているのみならず、語句を覚える時、普段から音だけでなく、綴りまで覚える形で学習してほしいというメッセージが込められている気がします。

 

あらゆる言語の中で、特に韓国語は、綴りと音がずれる例が多いことからの出題と考えています。

 

さらに、数年前に比べると、出題語の選定が絶妙になってきて、これはおそらく出題者の協会が、実際の教育現場での好例を集めて出題したのを窺い知ります。

各語句や文句を‘音’が押さえられていれば、まずはよしとしましょう。

ただでさえハングルは「音を表す字」で、何より会話は‘音’でやるからです。

 

一方で、SNSを中心に、文字でやり取りすることも多いです。

カカオやLINEで、間違った綴りを書けば、よほど勘のいい人でもなければ、面と向かってやり取りしていないのも相まって、自身の言わんとしたことが伝わりませんね。

 

当校でおこなっている復習コーナー「チェック&チェック」でも、音は知っているけど書けないという方が多いです。

 

語学以外のあらゆる分野でも、機械が簡単に導き出してくれる今この時代だからこそ、

 

「ペンを持ち、手を動かして書く」


ことは本当に重要です。

そして、5級リスト・約450語は、

 

『これからの‘韓国語ぺラぺ~ラへ’』

 

のために押さえておきたいものばかりです。

これらを言えて聞けてこそ、韓国語会話がきちんできるからです。

そこに一つの「やり甲斐」を感じながら覚えて使っていきましょう!



今回の第2問は前回同様に、先の、

 

‘音は知っているけど書けない’

 

のいい例が選ばれています。

 

講師が拝見した例から鑑みると、1)はよほど反復していないと、綴りが定着しないと思います。

 

そして2)では、実際に書くとなると、①か②で迷います。

ここでのように、試験問題解答では、よほどのことがない限りきちんと①を選べます。

요리 という語は、あらゆるところでたくさん触れてきたはずです。

 

でももちろん、書く練習が不足していると②を選んでしまうかも…

そして4)は大丈夫ですか。

①を選んだ方は十分復習しておきましょう。

 

ちなみに、実用場面ではとどのつまり(忘れる → 記憶が消え去る)までを表すので、

単に「忘れる」をいう場合は 잊어버리다 を使うのが通例です。

中国語での結果補語のようなものです。

 

そして第3問でも、今回の出来不出来はある意味関係無く、これからの‘ぺラぺ~ラ’のために、全部覚えましょう。

 

今回は珍しく、5)の①~③で接続語を訊いてきました。

これらもはじめの段階では、字面(つまり音)が似ているのでよく混乱します。

会話ではなおさらですね。

 

これらをはじめとした基本の接続語(プラス 그런데,그래서,그러니까)を、会話で繰り返し練習し、短い文句を適切につなげて、

少しずつ長い文句を言えるようにしていきましょう。

 

使い方は、一部例外を除いて、該当日訳と同じ要領でOKです。

 

では、第4問です。

1)ですが、正解はしましたね。

 

一方で、日韓で異なる「着る/입다」と「履く/신다」の境界線が違うことを確認しておきましょう。

韓国語の境界線は足首で、このことから 입다 を使う方が圧倒的に多いです。

 

 

あと、出ました、3)での「試験を‘受ける’」です。

 

〔시험을 보다 = 試験を受けるというのを知っているのは素晴らしい一方で、받다 は「受ける」といっても、「受け取る」「もらう」と捉えた方がいいです。

つまり受身的動作です。


보다 は、

  

〔対象(目的語)を視界に入れる → それに対して何らかの‘施し’‘取り扱い’をする〕

 

という動作まで含むことができます。

いわゆる本来持つ意味で、「原義」といい、当校では「コアイメージ」と呼んでいます。

なので、

 

사무를 보다(事務を執る) 집을 보다(留守番をする)
  잠자리를 보다(布団を敷く)
など

 

というように、訳が広がります。

 

このような捉え方を本格的にやるのは、ハン検なら3級からですが、いずれ語句をこう解釈できると便利なんだなと、予告的に聞いておきましょう。

 

前回よりはやや取っ付きやすい出題です。

 

ぜひ、使えるようにまでしておきましょう。

机上と実用が違うのはよく分かります。会話練習です会話練習!!


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