ハングル能力検定協会より、問題文を載せるなとクレームがきたので、その部分を削除しました。

[3級・筆記試験の解説・講評]


―前回との比較―

 

<難易度>前回並み。

 

<問題語数>前回と同じ程度。

 

<問題内容>2問減(協会の告知通り)。『出題形式改訂』による新形式問題は無し。



여러분,안녕하십니까?

 

第1問の音声問題で採り上げられた項目は(問題数は変化無しです)、3級で主に問われるものを挙げると、


ㄹの鼻音化・パッチムの子音化・漢字音ㄹ後の子音濃音化


です。

前回は、

 

ㄹの鼻音化・パッチムの子音化・漢字音ㄹ後の子音濃音化

 

で、同じ構成です。

 

2)のパッチムの子音化(‘絶音化’ともいわれますね)は、ここ最近連続で出題されています。

しかも前回も出題された、[不可能]の副詞 못 が絡む変化ですね(後続の語も同じです)。

 

今回4級・聞き取りではこれが特集されていますが、によるパッチムの子音化を、試験解答のみならず早く聞いて話せるようにもなりたいです。

 

音読・シャドーイング・ディクテーションの繰り返しですね。

 

 

では第2問の語彙問題です。1問減りました。

 

2)はおなじみの語で、歌の歌詞でもよく聞きます。

 

そして3)で恒例の副詞問題は、[比較]の構文で覚えましょう。

副詞は、多くの場合文法・文脈を持ちます(内包しています)。

 

~~보다/에 비해( 훨씬 ){더} …


そして5)で、②か③どちらかを選ばせる問題で、

かなり前、第30回の翻訳でこれらに関する出題があります。


덜다 ― 
일정한 수량이나 정도에서 얼마떼어 줄이거나 적게 하다.
(一定の数量や程度から、いくらかを取り除き、減らしたり少なくする)


줄이다 ― 물체의 길이나 넓이,부피 따위를 본디보다
작게 하다

(物体の長さや広さ,体積などを、元より小さくする)

 

なので、第30回問題のように、「ごはんを少なくする」では 덜다 を使い、ここでは「スカート(の丈)」なので、上の意味から 줄이다 ですね。

ちなみに、6)の慣用句は的中しました。

しっかりした語彙力を訊いてくるのは変わらずで、難易度は前回並みです。

 


続く第3問で、問題数は変わっていません。

 

恒例の助詞問題1)は決まり文句で、助詞は[限界]を表します(コアイメージは<いくつかの中から1つを選び出す>)。

 

そして2)4)の接続表現で、正答理由は以下の通りです。

 

2)末尾に 았/었[完了] がある →  자마자

 

4)後文が未来時制 →  ㄴ/는다면

 

4)では、ㄴ/는다면 (으)면 の違いも押さえておきましょう。


さらに、3)5)の慣用表現では、

 

3)지만<反対関係>を挟んで<前文:肯定的/後文:否定的>の文脈を作る → ①

 

5)前文の 보다 に合わせる → ④

 

보다 には「見る」から派生し、以下のような意味も持つことを押さえておきたいです。

 

視界に入ったことを根拠に意思や判断を示す  

 

例)저는 그렇게 봅니다.(私はそう思います)


視界に入った物事に処理を施す

 

例)시험을 보다(試験を受ける)  사무를 보다(事務を執る)

 

文脈とは‘文の流れ’で、文の流れといっても、それはきちんと決まっていて、しかも4種類しかありません。さらに絞れば3種類です。

 

ここでは4種類しか無い文脈を「4つの論理関係」といっています。

「論理」とは、普通に考えて分かる、事の筋道で、俗にいう‘文脈’を司っています。

例えば、


小枝はEXO-CBXのライヴで天井席だったから、(     )≫

 

とあって、(     )に入れる文句を想像するとなると、

 
( あんまり楽しくなかった )

 

と入れることができても、


( 一生忘れられない )

 

は成り立たないと分かります。

 

実際のところ、私達日本語ネイティブにとっての韓国語学習では、


〔意味(訳)と文法・文脈を混同する〕

 

ことが多く、そのことが丸暗記偏重を生んでいます。

韓国語以外の学習(欧米諸語,中国語など)なら、そのようなことはほぼやらないのを鑑みると、これは、本来長所として使うべき日韓両語の酷似っぷりから、


『韓国語は日本語と同じように解釈できるものなんだ』

 

という、思い込みを生んでいるといっても過言ではありません。


そんな中でも、該当する日訳で分かれば、もちろんそれでOKです。

私達日本語ネイティブにとって、それは‘特典’でもありますしね。

 

ちなみに当校では、韓国語文法を捉える素材として、국어사전 と共に、

 

『韓国語文法辞典』(三修社)


を使っています。 

各接続表現・助詞について、文法解釈で重要な、前後の文脈(論理関係),時制,主語人称を主に扱い、人称意味(訳)を‘二の次的’に示してくれている超良書です。

韓国語文法辞典

では、第4問の入れ替え問題です。問題数は同じです。

 

今回も1)2)で典型の〔漢字語 ⇔ 固有語〕があり、

4)慣用句が日本語にもある句なので、覚えやすいと思います。

そして、2)にある 놓다 は「置く」から、<安定,定着,固着>というコアイメージがあります。

なので、


마음
놓다<安定,定着>させる  →  「安心する」


と理解でき、こう捉えられると、同じ「置く」と訳される두다<状態保持>との区別がはっきりします。

 

続いて第5問の同義語問題で、前回と比べると易化しました。

正答/不正答の差がはっきりしているからで、さくっと全問正解されたのではないでしょうか。

 

3)での 쓰다 は、衣服以外のものを身に付ける動作も意味します。

そして、3級からは形容詞「苦い」でも使えるようにしましょう

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