ハングル能力検定協会より、問題文を載せるなとクレームがきたので、
その部分を削除しました。
[3級・聞き取り試験の解説・講評]
―前回との比較―
<難易度>易化。
<問題語数>やや減。
<問題内容>前回と変わらず。
まずは、この3級を受験するに至るまで韓国語学習を続けてこられたことに敬意を表したく存じます。
『したい人、10000人。始める人、100人。続ける人、1人』
という名言がありますが、3級受験レベルまで持ってくるには、
それなりの‘積み重ね’が必要です。
その点を自画自賛され、さらに学習を続けていきましょう。
第1問は、提示された表や絵を説明している文を選ぶ問題です。
まず1)のグラフ問題で、今回は前回と違い、文字も韓国語です。
前回第51回では、各グラフの数値を比較する選択肢文が出ていました。
今回もそうで(①③)、あとポイントに上がるのは、
〔数値の言い換え〕
です。
ちなみに、TOPIKⅡではこのグラフを文にする問題が、300字作文として出題されます。
実際は、さらに表も提示されていますが、一度書いてみましょう。
次の2)で、前回は女性の容姿を訊く問題でした。
今回はレジの風景ですが、何を訊いてくるかをイメージして、音声放送を待ちます。
何より分かりやすいのは、レジ台に置いてあるブドウ(포도)で、
まず間違いなく解答に関わってきます。
というのも、普通の買い物風景からすると不自然な画だからです
で、実際に 포도 は解答に関わってきましたが、訊いてきたのは 거스름돈 です。
3級語彙リストにあるとはいえ、この語に触れていない方が一定の割合でおられると思います。
もちろん、超日常語なので知ってはいたいですが。
ちなみに、この語は 거스르다(逆らう,反対方向を取る)の名詞形に、
돈 が付いた語です。
確かにこう見ると、意味がおつりというのも納得がいきます。
余談で、日本語「お釣り」の語源は‘釣り合い’からきていて、
それを取る中で、余剰分を返すという意味です。
前回に比べて易化しました。
前回と逆に、表や絵の中にある情報が多くても、各選択肢文が平易です。
続いて第2問は、説明している単語を聞き取る問題です。
問題文が正答語を説明する文なので、問題文は自然と平易になり、
これを聞き取れることが、正解への条件です。
問題文の文型はほぼ決まっています。
<1> [名詞句]을/를 말합니다.
<2> 指示語を含んだ文
아/어서 や 고 といった、文脈を示す接続語尾は聞こえてきません。
1)で、주고 받다 とあっても、事実上 주고받다 で1語なので対象外です。
ところで、問題文を十分聞き取れなくても、あきらめないでください。
問題文の部分部分で聞き取れた語句と選択肢で解けたりしますしね。
メモも基本的に要りませんが、対策学習の時はもちろん全文書き取りが必須です。
で、その 주고받다 が聞こえてきた1)で戸惑った方がおられるかもしれません。
元々は 주다 と 받다 が接続語尾 고 なので、今やおなじみではありますが、
서로 と共に、聴解できたか振り返っておきましょう。
難易度が高いのは3)と6)です。
3)は、一般的にある現象ではあっても、お酒を飲む量が元々少ない方や、
それこそお酒が飲めない方にとってはピンとこないので、
「えっ?」と思われたかもしれません。
そして6)で、正答語の正確な意味を押さえていらっしゃいますか。
日付が変わってから、問題文のように夜明けまでの時間帯を指します。
これと同じように、時間を指す語の中で、
辞書や教材がミスリードしている語の代表例が 저녁 で、
日が暮れてからも使えるので、解釈を修正しておきましょう。
前回に比べての難易度は、やや易化しました。
例えば、並べたてられた名詞の数が前回より少ないです。
では第3問の応答文を答える問題で、会話の基本は‘問答’であることに立ち返ります。
もちろん、絶対にそうではありませんけどね。
そして、たとえ1往復という単純な会話でも、リスニングの方をできるようにしたいです。
『会話は聞いて理解できるようになる』
今はSNSを中心に、文字でやり取りすることもありますが、
会話とは結局そうだからです。
韓国語のみならず他言語の学習も含め、これを念頭に置きたいです。
1)は分かりやすくて、어땠어요? に答える問題です。
その前で聞こえてきた語では、온천[温泉]さえ分かればOKです。
念のために確認で、시원하다 には{清涼}というコアイメージがありますね。
なので、例えば味(あっさりしている)や心持ち(さばさばしている)などにも解釈できます。
ちなみに、今回の各選択肢にはありませんが、
文法に則れば、名詞句で答えることができないのも一応押さえておきましょう。
日本語では許容されますけどね。어땠어요? の基本形 어떻다 が疑問‘形容詞’だからです。
続く2)は慣用句問題で、3級での超常連さんですね。
そして3)で聞こえてきた ㄹ 줄 알다/모르다 も、覚えて使えるようにしておきましょう。
さらには、ㄹ 수 있다/없다 と区別できるようにもしておきたいですね。
最後の4)もおなじみの、[共感]の形で感想を訊かれたのに対して反発するパターンです。
反発というと大げさでしょうか。
副詞 딱 も常連さんで、
鼻音化する場合も(딱 맞아요 が代表例)聞き取れるようにしておきましょう。
この問題のように、問題文と選択肢文を聞き取る場合、
相手(正答)が答えるべきことをきちんと押さえて、
各選択肢の放送を待てるようにしておくべきです。
それができるようになれば、メモはもう要りません。
その、答えるべきことについては、全て挙げると長くなるので割愛しますが、
試験問題会話の原則からすると、逆にこれから聞く内容(選択肢)が、
ある程度絞れる利点があります。
ぜひ活用しましょう。
〔問題文に対して、正答選択肢は何を答えるべきか〕
いわば、「‘聞かされる’のではなく‘聞く’」ということです。
前回に比べての難易度は同じ程度と見ていますが、
3)のやり取りを特にチェックしておきましょう。
続いて第4問は文章/会話文問題(選択肢は日本語)で、5級,4級にもある形式ですね。
再び事前の選択肢チェックをやっておきましょう。
1)は韓国語講座についてのことで、
その内容(③)受講条件(①②)が何だろうなと、頭に置きながら聞きましょう。
メモはもう要りません。
順に④× → ③○と取捨できます。
続く2)では、選択肢を見て、問題文が流れる前に②が×とされた方は素晴らしいです。
出題傾向をきちんと掴んでいらっしゃいます。
選択肢からすると、動物に対しての(場所はさておき)許可/不可事項が流れてくるようです。
選択肢を見ながら聞きましょう。メモなんかしている暇は無いですよ。
何がよくて何がダメか、写真撮影はOKといっているので、①が正解です。
そして3),4)では、5級,4級と同じく、
男性は~~ → 男性の発話を注意して聞き、選択肢を取捨する
女性は~~ → 女性の発話を注意して聞き、選択肢を取捨する
(それぞれで、選択肢の内容を言ったか言わなかったか)
を、問題文が聞こえてくる前に見定めて、ピンポイントに聞けるよう準備しておくんですね。
選択肢には「二人は~」や、これからの出題では他の主語名詞もあると思いますが、
基本的には、上記の要領で解答できて、
5級,4級と違うのは、時に相手のことを代弁している場合があります。
それに注意して聞くと、
3)
男性1つめの発話 → ③が×
男性1つめの発話 → ④が×(注意!)
女性2つめの発話 → ③が○
④を選んだ方がおられるでしょうか。
店のルールじゃないんですよね。二人の心情的に残せないといっています。
余談で、久しぶりに 김밥천국 で、김밥 と 우동 の‘講師的黄金コンビ’を食べたくなりました。
4)
女性1つめの発話 → ①が×
男性1つめの発話 → ④が○
この解答は理想でしょうか、出題形式が分かっているので、
それに合わせた解法を繰り返し練習しておけば十分できます。
これはもちろん、この後の第5問も同じです。
では、最後の第5問・文章/会話文問題(選択肢は韓国語)です。
ここでも、事前の選択肢チェックがうまくできたかを確認しましょう。
選択肢チェックの具体的な仕方、そして場所も確認しておきたいですね。
事前の選択肢チェックさえできていれば、メモは必要ありません。
そして、各選択肢も全部訳しておく必要はありません。
部分部分でOKです。右側の余白に、見やすく書いておきましょう。
そして、先の第4問はこの第5問のような内容一致問題では、
正誤の設け方がほぼ決まっています。
これは、ハン検に限らないことですが、別に出題者の考えなんかを知らなくても、
よくよく考えたら、その設け方が決まってくるのも合点がいきます。
この第5問のように、韓国語(外国語)の選択肢チェックをする場合は、
それをより意識したいですね。
これからの準2級,2級,1級、そしてTOPIKⅡでも役立つ、というか必須です。
では1)で、①②④に 체조 とあります。
これを知らなくても、③を中心に、周りに配置された語句から意味を想像しましょう。
1)
第2文 → ①が×(家の前の公園),④が×(町の人達)
第3文 → ②が○(雨や雪の日はやらない)
これらだけでも、先の〔正誤の設け方〕が見えてきます。
次回の準2級試験でも、同じように‘ピンポイントで’選択肢を事前チェックし、
放送を待ちましょう。
続く2)で、あえて結果論からこれからの対策学習に活かせることを探ると、
①と②③を見比べてみましょう。
選択肢を取捨させることを鑑みれば、①が不正答であることが納得いきますし、
次回以降、準2級受験であれ3級再受験であれ、このことを活用しましょう。
この問題から得られることはそれです。
残り2つ、3)4)の会話文問題は、先の第4問3),4)と同じように、
女性,男性それぞれの発話と選択肢を対照させます。
3)
女性2つめの発話 → ④が×(卒業後パリへ行く) ③が○
4)
女性2つめの発話 → ②が○ ④が×(公共交通を利用する理由は駐車場所が無いから)
事実上、発話1つで解答できる問題です。
もちろん、3)などは男性の発話内容を経て、女性の発話で正答を決めますが、
4)では、選択肢をよくよく見直してみると、
②と④って、②に付いている理由部分以外は同じですよね。
ここに、この発話量で4つの選択肢を作る限界があります。
受験者に聴解させながら選ばせるには、
そのための素材(発話)が多量多種あればあるほど良いですが、
3級では語句的にも語数的にも限られます。
すると、選択肢作りが苦しいものになり、このように似た選択肢が出来上がります。
まあ、男性の発話にまともな内容を盛り込めなかったので、
4つの選択肢を、全て女性の発話から選らばせざるを得なくなったんですね。
これはあくまで、問題作成者の事情であって、
受験者側の私達は、このことも大いに活用しましょう。
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