ハングル能力検定協会より、問題文を載せるなとクレームがきたので、その部分を削除しました。

[5級・聞き取り試験の解説・講評]


―前回との比較―


<難易度>前回並み。

 

<問題語数>前回並み。

 

<問題内容>前回と変わらず。


 

여러분,안녕하십니까?

 

今回のハン検5級受検を通じて、韓国語学習をいい形でスタートできましたか。
皆さまはまず、ハン検5級に合格されて、これまでの韓国語学習を一つ形にされました。
この調子で、ジャンジャン進めていきましょう!

ところで、以前検定協会では、現ハン検5級以下の初歩・入門者に、この5級よりも平易な試験を、レベルテストという仮称での導入を検討していると告知していましたが、あれからどうなったんでしょうか…

それはともかく、はじめに、今回聞き取れた程度を台本で振り返っておきましょう。
あと、正答不正答以上に、どういう解答を経て正解できたか、あるいは残念ながら不正答だったか問い質しておきたいです。
そうすることによって、試験問題解答のためのリスニングに限っては、全て聞き取れなくても解答できるのが分かります。

この5級では、問題文の語数的にも内容的にも平易なので、全てを聞き取ろうとしても支障はありませんが、これから4級,3級へと上がり、あるいはTOPIKⅠを受験するともなれば、

「あれ、今なんて言ったっけ?」

と、音声1つ1つを理解しようと聞くのはキツいですね。
全て聞き取れるようにするための練習は、これからの会話(実用韓国語)のためにやりましょう。

ということで、ハン検リスニング練習は、 

(1)全てを聞き取るリスニング練習(音読・シャドーイング・ディクテーション)

(2)試験問題解答のリスニング(正解するために狙いを定めた聴解)


この2本立てでやっていきたいです。

で、これらのうち(2)を実現させるために、聞き取り試験の音声が流れ始めたら、最初の聞き取り試験全体の説明(53秒)、そして各問の説明の間に(平均27秒)選択肢を最後まで見ておきます。

 

今回の受験前に案内を読んでおいたり、過去問でチェックしていれば、試験中の説明を注意して聞く必要が無いので、

最初の全体説明と、各問の説明の間を、全て選択肢チェックに充てます。

もちろん、選択肢チェックの仕方も、この先4級以降のために十二分に考えてやっていきます。
聞き取る時の負担はかなり減ります。

ハン検は『覚えた単語の量を測る』ことを趣旨とする試験ではありますが、ここから一つずつ‘韓国語ぺラぺ~ラ’への道筋に、ハン検合格という「形」を作っていきましょう。



第1問は絵説明文問題で、1)の絵をチェックすると、何の変哲も無い画ですね。

あと、メモ欄もたっぷり用意されているので、何を聞くことになるのやらと緊張しますが、ふたを開けたら、これはサービス問題です。

ただ今回は、パッチムのお引越し(連音化)が含まれています。
パッチムのお引越しに慣れるのは、ハングルを覚えることからスタートし、今に至った中での最重要課題です。
それこそ、中級段階におられる方でも、自然にできてらっしゃらない方がおられるほどです。

「ん」と促音「っ」を除いて、母音中心に発音し、語と語の間、文字と文字の間で音が移動するという概念が無い日本語ネイティブにとっては、韓国語が基本的に超簡単な中で、数少ない難関項目といえるでしょう。

今回は結局、②か④を問うていますが、ところで、この第1問1)で続けて使われている文、

이것은 [名詞]입니다.

という、実用性のかけらも無いのはなんとかならないかと、講師は毎回思っています。
日本語でも「これは唐辛子です」なんて、普通誰も言いません。

あるとすれば例えば、

「これは韓国から毎週輸入されている唐辛子です」
이것은 한국에서 매주 수입되는 고추입니다

のように、名詞にある程度の修飾語が付く形です。

日本でいう‘昭和の臭い’がプンプン漂う文句より、入門段階の今から、本当に使える文句,フレーズ,表現を積み上げていきましょう。

続く2)は毎回、[物の置き場所]を訊いてきます。

位置名詞を覚えましょう。

通常、絵にある2つの物のうち、小さい方の物がある場所を答えます。
事実上、位置名詞だけを聞き取る問題です。


ハン検5級で出題される基本的な位置名詞も、聞いて話せるようになっていますか。

これを機に確認しましょう。
ちなみに、① は「下」と訳されて、同じ語に 아래 がありますが、これらの違いも押さえておきましょう。

そして3)で、前回の絵と比べるとシンプルです。
情報過多にならないように修正してきました。

問題文は 노래 1語を聞き取って正解ですが、理想は、日本語「歌を歌う」を 노래를 부르다 で覚えて、부르다 の 해요体が 불러요 で、今はこれを丸覚えしていればOKな中、近いうちに、こう変わる理由を言えるようにしておくことです。

5級を受験されている今の時点から、もう不規則活用に触れてらっしゃる方は多いと思います。
規則/不規則を問わず、日常語を片っ端から해요体にする練習を、くり返しやっておきましょう。

日本語の活用と同じく、いわゆる‘パターン’で、日本語の活用が未然から命令まで6種類に対し、韓国語は半分の3種類なので、慣れてしまえば楽チンです。


続いて、第2問は数詞を聞き取る問題です。
問題文と選択肢それぞれを見て、漢字語数詞か固有語数詞のどちらが聞こえてくるかを、すぐ判断できるようにしたいです。 

数詞と助数詞(単位)のペアを、一つ一つそれぞれ覚える必要はありませんね。

一部例外を除けば、


漢字語数詞  →  順番を数える(序数)

 

固有語数詞  →  数量を数える

 

で分けられます。


通常の学習をしていれば、全て正解できます。音の紛らわしさもありません。

一方で、数詞は他の語句以上に反復練習が必要なので、例えばお互い問題を出し合って、一緒に確認しましょう。

問いかける時は、とりあえず日本語でも構いません。


「かなえさん、今日は何月何日ですか?」 ‘십일 월 십일 일이에요!’ 

「かりんさん、この服はいくらですか?」 ‘오천 엔이에요!

 

といった感じにですね。

 

ちなみに、とりあえず日本語でも構わない理由は、さっと不意に尋ねたいのと(「クイック」と呼ばれる練習です)答えることができてこそ尋ねられるからです。

数詞の聞き取りは、ハン検で出るからなど関係なく、これからの‘韓国語ぺラぺ~ラ’で必須なので、繰り返し練習し、聞いて話せるようにしておきましょう。

 

ちなみに、今の段階で数字を訊く問いかけ文句(先述なら[日付][誕生日][時間])を、いろいろと覚えておきたいです。

事前の選択肢チェックからしておきたい理想的準備は、全ての数詞の音を思い出しておくことです。

 

それができていると、

 

“あ、これとこれが紛らわしいからヤバい!”

 

と、心と耳の準備ができます。

今回は、漢字語数詞で、頭の桁が1か2かを問う問題がいくつか出題されました。

いわゆる の音の有無ですが、試験会場や、あるいは実用場面といった、緊張するところでは、結構聞き逃したりするものです。

あるいは、ご自身の発音がいまだ曖昧な場合もそうです。

音が母音だけだからですね。

 

冷静に聞ければ、そんなのあるわけ無いと思えても、多くの方が、普段韓国語をしゃべっていませんから(普段話していたら5級を受けません)言い洩らしや聞き洩らしをしてしまいます。

 

よく練習しておきましょう。数詞の並べ方自体は日本語と同じなので、すぐ慣れます。


では第3問・応答文問題です。

 

各選択肢は毎回短いです。
問題文が聞こえてくる前にさっと見ておいて、もしできたら訳でも付けておきましょう。

まず1)で、もし問題文を聞く前に、が正解ならすごく分かりやすいと思われた方がおられたら、素晴らしいですね。韓国語ペラペ~ラどころか、トリリンガルになれそうです。

それは、これが正答なら、聞こえてくる文句がかなり限定されるからです。
問題文は 어떻게 に答えますが、これから学習を進めて、語句と表現が質量共に増えていく中で、

어떻게 が訊いている語句〕

そのものを押さえておきましょう。脱・丸暗記ができて便利です。

続く2)は、③以外同じ文型なので、各選択肢冒頭の名詞に注目します。
それぞれ、

①[数詞]  ②[名詞]  ④[名詞] 

で、選ばせるという観点からすれば、これを確認した時点で、①が消えると判断できます。
実際にそうで、さらには、問いかけ文が名詞を訊いてきたのも、出題傾向通りです。
あとは、その名詞を疑問詞(ここでは 언제)に合わせて選ぶという解答順です。

そして4)は、選択肢文がやたら長いですが、4)以外の後続部は飾りで、冒頭の相づちが合っているのを選ぶものです。
2017年度秋季・第49回でも同じパターンで出ています。

前回は時制で選ぶ問題なんてのが出題されましたが、今回は比較的平易です。
もう、このような会話をされていますか。
実際に話してみる、つまり「アウトプット」することで、本当の学習到達度が分かります。


では第4問の、応答文を聞き取って答える問題です。

ここでは、問題用紙に書いてある文を見て、

〔何に注意して聞き取らなければならないか〕

を頭に思い描いて、選択肢文の音声を待ちましょう。
これは、大げさに言い換えると、

〔問題文中の何に答える‘義務’があるか〕

です。その点で、先の第3問より平易です。

1)は事実上、問題用紙にある 약을 먹다 の知識を訊く問題です。
選択肢の音声ではなく、ということですね。

というのも、약을 먹다 を知っていれば、各選択肢文はすでに触れていらっしゃるはずだからです。
発音変化もほとんど無く、聞き取りやすいです。

一方で、実用面に目を向けると、発話が で始まっているなら、この時点で、相手が答えるべきことがある程度決まります。
それを利用して、文(文句)全体で知らなかったり分からない語句が多少あっても、答えたり訊いたりして、会話を成立させれたら素晴らしいです。

2)は、女性が[場所]で答える‘義務’があります。
すると②とに絞られます。

仮に、ここで②を選んでしまったとしても、この2択にできたらよしとしておきましょう。
この先は明るいです。

そして3)でも同じように考えて、ここでは男性が、수업[授業] の開始時間に答える‘義務’があると、耳の準備をしておきます。
最低でも、数詞が聞こえてくるなと気付いておきましょう。

でも、その数詞が聞こえてきた③は不正答なんですね。
続く④も、これは授業について述べていません。

困りました。
通り過ぎた①か②が正解ということで、発話を覚えていないか、メモしていなかったら、あとは勘でどちらかをマークするしかありません…

とまあ、こんな感じで辿ってはいるものの、基本的なリスニング力があれば、で授業に 수업없어요 を聞き取れれば、
これで会話が成立するなと気付いて、これにチェックを入れているはずです。
ただ、やはり数詞が気になりはするので、がよさそうでも保留とした方がいいです。
この問題がこうであっても、この先4級以上でこれに類似た問題が出た時のためにです。

そして4)では、語尾 죠 があります。これが相手に何を伝えているでしょうかね。
それは意味(該当訳)ではなくです。
このように、語尾(終結語尾)については、意味よりも相手に伝わること、つまり[機能]を重視したいです。

ここでは、相手に[同意]を求めていて、言い換えれば、パンの味に対する話者の意見に賛成か反対かを訊いています。

ですが、ここでもひねってきました。しかも消去法で答えさせるものです。
正答以外の不正答っぷりは、上の台本を見れば歴然で、音声でも、①③④全て、パンについて全く触れていないと分かるはずです。
正解できましたか。戸惑った方がおられるかもしれません。

前回より難化しました。


では第5問で、会話文内容を問う問題です。

ここでの選択肢文はパターン化しています。
なので、それを有効利用して、聞き取るべき部分を絞りましょう。

つまり、

男性は~~  →  男性の発話を注意して聞き、選択肢を取捨する

女性は~~  →  女性の発話を注意して聞き、選択肢を取捨する

(それぞれで、選択肢の内容を言ったか言わなかったか)

を、問題文が流れる前に見定めて、ピンポイントに聞けるよう準備しておくんですね。
選択肢には、「二人は~」もありますが、基本的には上記の要領で解答できます。
ただ、今回は各選択肢で、語句の言い換え度を強くしてきました。

1) では、①②を男性の発話で取捨します。
でも、①②のどちらかは女性の発話が決めるんですね。
男性が人について尋ねたというのは聞き取れましたか?
入門用教材では定番のフレーズですが、これで事実上1つの単語相当です。

先の語句言い換え度を強くしてきた件で、2)では女性が結婚したいと言っているのを②の「まだしていない」と言い換えて、5)は、話全体をまとめた「待ち合わせ」を正解としています。

5)は会話中にいろんな情報が入っているので、その全てを拾ってまとめられたかを確認しましょう。
この手の会話は、これからたくさんする、というか、してみたいですしね。

今はカカオトークやLINEといったSNSでのやり取りが多いことから、音より分かりやすい形で会話ができるとしても、音でもやり取りできるようにしておきましょう。

そうです、近いうちに電話でやり取りすること自体が衰退して、試験問題として採り上げるにはふさわしくない、なんて時代が来るかもしれません。


ということで、いかがでしたか。

内容的には市販の入門,初級用テキストで採り上げられているものばかりなので、次の4級を目指す上でも、お手元の教材を、完璧に身に付けるまで何度も繰り返し学びましょう。

そして、どれだけ身に付けたかをこまめに確認したいですね。
復習です。普段どれくらい復習ができていますか。
先の「手持ちの教材を完璧に身に付ける」ための重要作業です。

何でもそうで、これという教材を1つ、隅から隅まで完璧に身に付ければ、誰だって話せるようになります。
今、韓国語を自由自在に使っていらっしゃる方々は、そのようにされたボロボロになった教材を、いくつかお持ちのはずです。

あと、ある生徒さんがご自身で単語の覚え方について、ネットであれこれ調べた結果、共通して出てくる言葉が「音読」だったそうです。

そうです!
音読をして、そして書く時は声に出しながら書きましょう!
書いているだけの学習は、言葉を選ばなければ時間の無駄です。

そしてリスニングについては、今やインターネットを駆使して、韓国語の音声をいくらでも聞ける世の中になりました。
聴解できるか否かは現時点でともかく、それらをより有効活用し、韓国語を特別な音ではない、日常の音にしてしまいましょう!!

余談で、聞き取り試験中に筆記問題を解くのが禁止されていますが、講師個人的には、それができるのも‘ハングル能力’なので、構わないのではと思っています。
たとえ、本来の筆記試験時間60分を超えることになるとしても、ですね。

つまり、選択肢を事前に吟味した上で、解答するためのリスニングをすると、それだけ聴解量と解答時間を減らすことができて、その分余裕を作れるし、それを作れたこと自体が、まさに立派な能力と認定されるに値するからです。

即答できたとぼ~っとしていても時間がもったいないし、そうしてしまうなら、全ての問題を解き終わってからの方がいいです。

こうやって普通に学べる幸せをかみしめながら、今回の解説を結びます。


おつかれさまでした。

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