ハングル能力検定協会より、問題文を載せるなとクレームがきたので、
その部分を削除しました。
では、第6問の会話文問題です。
正直、特別見るべき問題はありません。
あえて挙げると、3)で④を選んだ方がおられるかもしれませんね。
講師ははじめ、④も行けそうやなと一瞬思えて、
今回は聞き取り問題にも、正答が2つあるとすることができる出題があり、
これは久しぶりに質問状ものか!?と考えました。
これは、( 25 )と直後のA2つ目だけを見れば合います。
続くB2つ目が、それを補足的によさそうと思わせます。
④でもいいのではと思わせる根本原因は結局、
各発話で主語を明言していないからです。
もちろん、韓国語は主語を明言する必要は別段無く、
以前、講師が協会に、筆記会話文問題の存在理由について、
伺った質問状への回答で述べていることで、
主語が無かろうが、終結語尾表現を中心に、
それを読み取ることを盛り込んでいる、とはされています。
しかし、このやり取りには、文脈に‘隙間’が空いていて、複数の解釈を許しているんです。
例えば、A2つ目 아무리 바빠도 がもし、
「いくら最近私が忙しくしていても」
と解釈してしまえば、④が成立します。
それで、B2つ目の主語をAとして、
「今時お前が解雇されてないだけでも感謝しなきゃ。
(明日は祝日だなんて言ってる場合じゃないぞ。働けよ)」
と解釈する余地を与えているわけです。
発表されている正答②には、もちろん文脈がきちんと通っているので納得がいきます。
それでも、各発話に主語が無いばかりに、もう一つの解釈をさせる余地を与えたこの問題は、
いかがかなとは思いました。
ネタの一つにもなるので、質問状をまた書いてみようかなと。
では、第8問~第10問の文章問題を見てみます。
文章問題に取り組む時の原則として、‘問いを先に読む’というのがあります。
今回の出題では、
第8問
【問1】問題文のタイトル
【問2】한국의 여성은 결혼해도 성이 바뀌지 않는다 の理由
(合わないもの)
と、これから自分が読む文章の内容とがおぼろげでも分かるし、
問題文の‘読み方’も教えてくれています。
あと、内容一致問題では、各選択肢も見ておきましょう。
さらにそれら選択肢で、正誤を設けている所をきちんと見定めておきます。
これはTOPIKでもリスニング・読解共通でそうで、余計なところまで見なくて済みます。
まず、第8問から見てみます。
【問1】では、文のタイトルは「テーマ」ともいえるので、自分で正答根拠部分を拾い、
そこと合う選択肢をマークします。
これを解くにおいて、まず目を留めるべきは第2文です
【問2】に関わる部分で、よく知られていることではありますが、
これを読み終わった時の頭の中が問題です。
例えば、
‘意味は分かった。次を読もう! 意味は分かるかな?’
これだけではもったいないです。講師の頭の中はこうなっています。
‘このことについて具体説明するんでしょ?’
これは、その直後に 그 이유는 とあろうが関係ありません。
どんなはじまりであれ、どんな文内容であれ、こう決まっています。
例外があるとすれば、また反対関係の文脈が出てくる場合ですが、
そんなのは、文章としてすでに破綻としているので、ありえません。
それはさておき、あとは、
「韓国の女性は、結婚しても姓が変わらない」
具体説明が、どこまで続くかです。
それが終わるサインも、ほぼ分かりやすい形で示してくれるのでご安心を。
ただ、この問題文では無いので、末尾まで具体説明です。
すると【問1】と正答根拠と同時に、【問2】の正答根拠がある場所が分かりましたね。
先に触れた通り、그 이유는 ときちんと宣言してくれているので分かりやすいですが、
【問1】は、
〔テーマ「韓国の女性は、結婚しても姓が変わらない」+ 具体説明{根拠}・2文〕
から、正答が①と分かります。
正答根拠と①で語句を言い換えていますけどね。
「姓を変えない」=「①夫の姓に従わない」
ここで語彙力を訊いています。
そして、【問2】の正答根拠がある場所が分かりはしましたが、
長い文が2文あるんですよね。
なので、語句的に余裕が無ければ、問題用紙下の余白にでも、
意味が分かる(日訳できる)範囲内でメモしましょう。
日本語でざっとまとめると、
・女性尊重
・女性を男性の一族としない
・血統重視思想 → 嫁入りした娘も姓を維持しようという意図
一例として、こんな感じでメモします。
そして、それと合う選択肢を消そうということで(合わないものを選ぶからです)、
①が正解で、불교[仏教]が問題文に出てきません。
ところで、第9問の問題文を読んで、はじめ「へぇ」と思いました(苦笑)
逆に、じゃあ日本人はなぜ室内でコートを脱ごうとし、
そのまま着ているとおかしく思う人が多いんでしょうかね。
準2級受験・合格レベルにいる私達にとって、やや背伸びする感はありながらも、
韓国語でディスカッションする、いいネタではないでしょうか。
当校で開講している、韓国語だけ(日本語禁止)の学習活動、
『スダジェンイ(The Sudajenyi)』のコー(上級クラス)
で採り上げました。
さらに、第10問の問題文内容も、なかなか興味深いです。
TOPIK同様に、ハン検でもこのような「へぇ」「ほぉ」と思える内容だといいですね。
そういえば、北朝鮮が 2015年8月から2018年5月まで、
평양시간[平壌時間]と称して、
協定世界時(협정세계시/UTC<Coordinated Universal Time>)から、
問題文にある通り+8:30と、日本・韓国の+9:00と変えたことがあります。
文章問題では、基本的に文構造を意識したいですが、
問いが語の穴埋めと内容一致なので、問い質す必要はありません。
ただ、問いは関係無く、文構造を分析しておくのは、
例えばTOPIKの読解/リスニングで役立ちます。
では、最後の翻訳問題です。
まず第11問・韓日訳で、1)では、出ました、副詞 여간 の構文です。
ただ、今回は各選択肢を工夫しています。
末尾を否定表現に統一しています。
今までは、여간 の構文では、この問題文の通り、末尾が否定表現なので、
選択肢では、末尾が否定表現なのをひっかけとし、
実は肯定表現のものが正解と作ってくるのが、
翻訳問題で出題される度の恒例行事でした。
結局は事実上、쑥스럽다 の知識だけを訊いています。
語句知識が無関係の、過去問出題パターンだけ覚えた人を不正解にさせる、
そんな意図を感じますね。
2)は、끼다 の肯定と否定が並列し、おまけに 다 があるので、
끼다 が[無条件]であることを表す訳文を選びます。
そして第12問・日韓訳では、全て平易です。
余談で、講師にとっては昔のように、翻訳をきちんとさせる出題が懐かしいですね。
それは昔の方が、‘考える’領域があったからです。
ここでの‘考える’は、
〔覚えたものを条件(問題文)に合わせて、韓国語的に組み立てたり調整すること〕
です。ここに、難しさと同時に楽しさがあったんです。その頂点は1級でしたが。
今は覚えたものをただ出すだけです。
この後は、個々人の好みに依るので、そのことについての優劣は述べるべきではありません。
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3級 全7回:24,000円(税込)
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