ハングル能力検定協会より、問題文を載せるなとクレームがきたので、
その部分を削除しました。
それでは、第9問の会話文問題です。
1)は( 33 )直後の、
A2つめの発話で受けることができる選択肢をマークします。
②が正解で、③のように、許しを請う人に 양심이 있다 とは言いませんよね。
2)は( 34 )直後のB2つめ発音が 그래도 ではじまっていて、
反対関係を結ぶので、後続と反対の内容を選びます。
そして4)はぶっちゃけ、はじめ①と④で迷いました。
というのも、慣用句 수를 놓다 には、例の意味ともう一つ(数を数える)もあるんですね。
①と同じく、ここで話されている数字についての意味も持っているからです。
でもよくよく考えると、
B2つめから、単に数字を扱うといったことではなく、
それら数字を合わせてまとめて新しいモノを作ろうとしていると想像できるので、
すると① 통계학[統計学]の方が説得力ありますね。
ところで、当校では筆記の会話文問題について、今や手を持て余している感を覚え、
聞き取り問題でも問うているなら、『会話』という行為の性質上、
筆記問題では無くしてもいいのではと、協会に質問したことがあります。
前回から今回の間に、その回答をいただきました。
こう言う意図があって、筆記でも会話文問題を出題しているそうです。
では、長文問題を見ていきましょう。
今回も内容一致が半数あり、つまり語彙力を訊いていますが、
一方で、久しぶりに挿入文問題を出してきました。
内容一致問題は、各選択肢で正誤を出す所が決まっているので、
ぜひ問題文と各選択肢を今一度対照し、成語の箇所を見定めておいてください。
すると、ある共通点が見えてきます。
ここでは、第11問【問1】の挿入文問題を見てみます。
先に、ここは誤答を出してしまいました。ご覧くださった皆さま、申し訳ございません。
当校は④としていました。
では、誤答した理由を探るのも兼ねて、詳しく見てみます。
その挿入文で、나머지는 が持つ文脈で、①と③に入らないのは分かります。
ここからで、④つまり(D)に入らない理由を考えると、
아이의 몫 が指す、第2文にある、この文のテーマ「子供の人生設計」を巡る、
親と子自身の関わり(テーマの具体説明)が、
第2段落では語られていないからですね。
第2段落は、テーマに対する親の接し方だけが語られているので(主張は第2文)、
挿入文のように、子供のことを入れるわけにはいかないことを、
講師が見落とした結果です。
ちなみに、北正書法の第12問で、
【第1問】の指示語問題はよろしかったですね。
正答根拠は2文前にありますが、直前文は 바로<イコール>ではじまっているので、
正答根拠箇所の[言い換え]です。
では、最後の翻訳問題です。
韓日訳問題では、2)でのドジっ子ミスに注意しましょう。
〔[名詞] + 만하다〕が[同程度]を表すことを知っていれば、
傍線部直前に 아/어도<反対関係>があるので、
その前文 심히다 の反対内容で訳すと分かります。
直訳)うちの子と[同程度]にひどくはない → ② うちの子ほどではない
あと3)は、正直迷いました。
명색[名色]って、「名ばかり」の意味でも使われるんですよねぇ…
でも、末尾の語尾が ㄴ데 で反対関係なので、
④「~なのに」を選ぶという問題です。
4)はおなじみの反語表現です。叙述形で訳しましょう。
次に日韓訳で、1)마음이 내키(지 않다) は、
語彙として訊かれたのが1回だけであるものの、
講師が受検していた頃からたびたび見かける常連さんです。
そして3)でもやや迷いました。①と②でです。
でも、성장력 と 머뭇거리다 が組む例はありません。
じゃあ、성장률 ならどうかなと調べてみたら、その組み合わせもありません。
ちなみに、4)で①をガチで選ばれたと仮にしたら、それはギャグですか?
翻訳問題は出題がマーク式(客観式)であっても、
基本はあくまで‘自分の手で’訳しましょう。「翻訳」とは本来そうです。
翻訳問題でのマーク式(客観式)解答は、人員不足による採点作業合理化の方便で、
受験者数が今ほどではなかった昔は、5級でも記述式解答だったからです。
翻訳は本来すごく楽しくて、日韓両語間の訳は、
酷似している点が多々あるからこその楽しさがあります。
いずれ、それらを共有したいですね。
ということで、2級試験が終了しました。
すでにされているかもしれませんが、さらなる韓国語力向上のためにも、
ここで他言語を学んだり、あるいは語学と違う分野の勉強もされてみるのはいかがですか。
2級を受験し、合格するまで韓国語学習を続けてこられたことは、
一つのことをコツコツとやり遂げる素養があるのを表しています。
他言語の学習や、語学と無関の資格試験にも、その粘り強さを活かして学習し、
ご自身の世界を広げていくんです。
講師としては、同じ韓国語界ならTOPIKの受験をおすすめしています。
すでに6級を合格された方が多くいらっしゃるであろう中で、
あえておすすめしているのは、TOPIKに見える利用価値として、
<2級受検合格レベルに達した韓国語語彙力を使って、
日常生活・業務にも活用できる、韓国語を通じた論理的思考力と表現力を高める>
その素材として非常に有効だからです。
講師が2019年度から毎回受験をしている理由の一つです。
‘韓国語の試験で、ハン検は知らないことを確認できて、
TOPIKは覚えたことを確認できる’
という意見は、言語がただ暗記するものであり、
「知っている」「知らない」を問い質すだけの単純な認識で、
言語とは、それらを元に思考し、万物を創出する手段という重要部分を見落としています。
ハン検2級,1級は、合格に必要な語数が多いので(2級:1万5,6千語/1級:2万語以上)、
単語を覚えることだけに躍起になってしまう傾向があり、
それは、韓国語の奥深い世界を知れて有用なんですが(講師もそれを実感しています)、
それが勉強そのものから自らを遠ざけ、「能力」を高めることに直結させなくさせるという、
いわば、諸刃の剣的な性格を持っていることを認知しておくべきです。
これから2級,1級を目指す皆さまは、十分注意しましょう。
講師もこの点でこれらとの関わりに気を付けながら、皆さまの学習をお手伝いします。
覚えることは犬でも猫でもお猿さんでもできます。
でも私達は人間です。人間にできることは記憶することだけじゃないです。
もし人間がその程度なら、今普通に享受しているあらゆる物は、
この世に生まれていません。
今回のハン検上級で見えてきた、大きなテーマと課題です。
それはさておき、何より、ここ最近の世の中を振り返り、
“今こうやって普通に学べていることに感謝し、
当たり前と思えることは決して当たり前ではない”
この事実の見つめ直し、「ありがとう」を繰り返しながら、学びを大切にしたいものです。
ハングル検定対策各通信添削講座(3級,準2級,2級,1級)
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3級 全7回:24,000円(税込)
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