ハングル能力検定協会より、問題文を載せるなとクレームがきたので、
その部分を削除しました。

[3級・聞き取り試験の解説・講評]

―前回との比較―

 

<難易度>難化。

 

<問題語数>大幅増。

 

<問題内容>『出題形式改訂』による新形式問題あり。



今回・第50回試験より、ハン検は聞き取り試験から始まり、途中休憩が無しになりました。

講師が知る限り、英検や中検などでも、

順序の違いはあれ休憩無しで(スペイン語検定{西検}では5級,4級以外筆記のみですが)、

これについては、これまで様々な意見が提出されていたので、

この形式を歓迎していらっしゃる方は多いのではないかと思います。

ちなみに、この解説が冗長だという指摘があり、ごもっともなことではあります。

今回から協会が、試験終了と同時に正答を公開し、答え合わせがもうお済みでいらっしゃっても、

この解説にまで目を向けてくださる方がお一人でもおられたら、この長文は救われます。

 

解説の書き方は、長年関わらせていただいているうちに、少しずつ変わりつつあるので、

数年前のよりは読みやすくなっているのではないかと思います。

そういえば、今回は男性音声担当が、
久しぶりに、現在NHKラジオ講座ご担当の李泓馥[이홍복]先生ですね。

 

李泓馥先生ご担当の時は、問題難易度がやや高くなるというジンクスがあります(笑)


第1問から出題形式が変わり、提示された表や絵を説明している文を選ぶ問題です。

 

これまでは、1往復の会話を聞いて、はじめの発話で正答が出たりしました。

今回からは選択肢音声全部を聞き取る必要があります。

まず1)で、「今日」「明日」2日の天気予報を言い、
しかも、それぞれの中でも変化が予想されています。
「曇り」「雨」「晴れ」そして「曇りから雨」「雨から晴れ」なんていうかなと思い出しながら、
放送が聞こえてくるのを待ちます。

問題文は上記台本の通りで、①②で今日の天気を、③④で明日の天気を述べています。
思い出した語句のうち、で「曇りから雨」が聞こえていました。

3級の聞いて分かる語句では、
連音化する(ㅎ の弱化ではなく)ㄴ 후에 の聞き取りを問うています。

次の2)は、まあ普通に考えて、ベットに横たわる男性のありさまを言うとは思いますが、
その横で、リンゴの皮をむいている女性にも触れたりするんでしょうか。

これは、事前のチェックで思い出しておくべき語句が多いです。
選択肢を順に聞きながら、絵と比べるしかありません。

紛らわしいのは①ですね。
오른쪽 が聞こえてきた時点で飛び付いてしまいそうです。
でも怪我している箇所が違うので×で、音声は結局女性のことにも触れていますが(③ 어머니)、
ふたを開ければ分かりやすく、確かに④ 입원중[入院中] のようです。

それでも、解答への手間が増えたので、リニューアルされた第1問は難化しました。

続いて第2問は、説明している単語を聞き取る問題です。
問題数は1問増えました(4問→6問)。
問題文が正答語を説明する文なので、問題文は自然と平易になり、
これを聞き取れることが、正解への条件になりますが、問題文の文型はほぼ決まっています。

1)複文で、接続表現が1つある((으)면,고,아/어서,ㄹ 때)

2)修飾句が1つないし2つある(韓国語は日本語同様、長い句でも文の前部にくる)

3)指示語を含んでいる

4)語尾は 합니다体


これ自体は、単語を説明する文を書く練習をするネタとしていいですね。

そして、これらでチェックすべき一番の箇所は3)で、その次に2)です。
というのも、正答の物,事,人の[使い道]や[目的]、
あるいは[具体説明][内容説明]を、これらの部分でするからです。注意しましょう。

4)では 옮기다<発音は 기다> が聞こえてきました。
「移す」で、つまり「 翻訳する」です。

余談で、講師がハン検2級を受験した時の書き取り試験で(2002年度春季・第18回)、
当時はいわゆるディクテーション問題があり、
これが書き取れなくて悔しい思いをしたのを思い出しました。

最後6)は慣用句を訊いていますね。
日本語「身体がいくつあっても足りない」と同じ発想ですね。
また余談で、自分が分身の術を使えて、
一人で複数の事を同時にこなせたらいいのに、なんて思ったことありませんか。

問題が増えた分、扱う範囲が広がったので、若干難化しました。


では第3問の応答文を答える問題で、ここの問題数は変化無しです。
会話の基本は‘問答’であることに立ち返ります。
もちろん、絶対にそうではありませんけどね。
そして、たとえ1往復という単純な会話でも、リスニングの方をできるようにしたいです。

『会話は聞いて理解できるようになる』

韓国語のみならず他言語の学習も含め、これを念頭に置きたいですね。

1)では、女性の発話に対して男性が何を答えるべきかを定めておきます。
聞き取るにおいては、今や問題無いはずです。

男性はメガネの行方について答えなければなりませんから、
それを頭におきながら聞いていくと、
ですぐに、まだ探せていないという「メガネの行方」に関することを言っています。

次の2)では、聞いて分かる語句 고장나다 を訊いています。

 

実のところ、ここでの고장나다 → 고쳐 보다は、

ハン検で何度か採り上げられたネタです。

続く3)は、男性がカード支払いを承るか(女性にとってはカードで払えるか)を聞き取ります。

현금만 받다と合わせますが、この句はハン検に出る云々関係無く、

聞いて理解できるようにしたいですね。

ここは前回より易化しました。問答のつながりが分かりやすいです。

ところで、このように問題文と選択肢文を聞き取る場合、

問題文と正答選択肢が離れるほど(読まれる選択肢順が後になるほど)混乱してしまいます。

 

今回の出題は、正答が比較的早めに聞こえてきたのでいいですが、

4)のように、正答が④だと、①~③の間で紛らわしい語句を聞いているので、

④に至るまでにこんがらかり、正しい判断ができなくなる恐れがあります。

これに関しては、他言語の教材ですが、講師が使っている外国語リスニング問題解法資料、


『中国語検定3級リスニング試験 聞く技術』

でも強調されていることで、

中検3級聞く技術
このことから、

〔問題文に対して、正答選択肢は何を答えるべきか〕

これをきちんと、問題文音声が流れる前に、できる限り決めておきたいんですね。

決めるといってもあくまで予想なので、外れることもありはしますが、

まっさらな状態で聞くよりは数段マシです。

 

いわば、「‘聞かされている’のではなく‘聞いている’」からです。


続いて第4問は、日訳ではなく、文章/会話文問題(選択肢は日本語)に変わりました。
5級,4級にもある形式ですね。

再び事前の選択肢チェックをやっておきましょう。
1)では②と③が「禁煙」云々についてのことなので、
第2問で確認した通り、修飾句に注意して聞き取りましょう。

①と④ももちろん検討したいですが、‘選ばせる’ところからすれば、
二の次にしてしまってもいいです。

そう見当を付けておいて放送を聞いたら、やはり「禁煙」について語っています。

続く2)では②~④で 민지[旻智] がどうだこうだとあるので、これらを中心に聞き取る問題で、
各選択肢は幸い全てバラバラなので、問題文内容が分かりさえすればすぐ解答できそうです。

しかし、それは×なんですね。

第1文  →  ②が×

第2文  →  ④が×

第3文  →  ③が×


消去法でが残ります。

正答を選ぶ解答と、一方でこのように消去法(正答を探すよりまず不正答を消す)でも、
解答できるようにしておきましょう。

そして3),4)では、5級,4級受験で使われたであろう、

男性は~~  →  男性の発話を注意して聞き、選択肢を取捨する

女性は~~  →  女性の発話を注意して聞き、選択肢を取捨する

(それぞれで、選択肢の内容を言ったか言わなかったか)

を、問題文が流れる前に見定めて、ピンポイントに聞けるよう準備しておくんですね。

選択肢には「二人は~」や、これからの出題では他の主語名詞もあると思いますが、
基本的には、上記の要領で解答できますが、
5級,4級と違うのは、時に相手のことを代弁している場合があります。

それに注意して聞くと、

3)
女性1つめの発話  →  ③が×

男性2つめの発話  →  

女性2つめの発話  →  ②が×,④が×


4)
女性1つめの発話  →  


男性1つめの発話  →  ④が×

男性2つめの発話  →  ①が×,②が×

選択肢チェックができてさえいれば、
こんな感じで選択肢を見ながら聞き、これらを取捨できます。

今回から3級試験は、聞き取るべき量がグンと増えました。
ならば、この作業の精度を上げるべきです。
何の語句,どんな語句をどうチェックすべきかを見定めて、
繰り返し練習しなければなりません。


では、最後の第5問・文章/会話文問題(選択肢は韓国語)です。
ここでも、事前の選択肢チェックがうまくできたかを確認しましょう。

結局、日韓/韓日訳問題が全廃されました。
確かに最近、翻訳問題の存在理由が微妙ではありました。
なので、これを機にバサッと切ってしまったのかもしれません。

あと、他の外国語検定試験に目を向けても、各言語を聞きながら、
リスニングで翻訳を問う検定は、講師が知る限りありません。

ここでは4問用意されています。
1)の選択肢を見ると、どうやら「マラソン大会」についてのことらしいので、
先の方針に則って、選択肢をチェックしておきます。

事前の選択肢チェックさえできていれば、メモは必要ありません。
そして、各選択肢も全部訳しておく必要はありません。
部分部分でOKです。右側の余白に、見やすく書いておきましょう。

1)
第1文  →  ①が×(第3回)

第2文  →  ③が×(18歳以上)

第3文  →  (30km・50,000ウォン,10km・40,000ウォン)

第4文  →  ④が×(大会HP参照)

2)
第2文  →  ①が×(娘が母に電話)

第5文  →  ②が×(「おばあちゃん元気しているでしょ?」)

第7文  →  ③が×,(明後日、オーストラリアへ出張に行くことになった)

3)
男性1つめの発話  →  ④が×(チェックインしたい)

女性1つめの発話  →  (「2泊予約されていますね」)

女性2つめの発話  →  ②が×,③が×(10階1006号室をご用意する)

4)
男性1つめの発話  →  ②が×(「ウチの 수미[秀美]ですか?」)

男性2つめの発話  →  ,④が×(公務員試験準備をしながら週末にバイト)

①は該当無し(男性はデパートに勤務しているかもしれないが…)

聞いて分かる語句は確認したいです。
試験問題解答、そして‘韓国語ぺラぺ~ラ’のためにですね。

ちなみに、続く筆記試験は、聞き取り試験終了アナウンスがあってから見ることができるので、
この間はマークミスの確認か、あとは深呼吸でもして、次の筆記試験に備えましょう。


ということで、3級・聞き取り試験が終わりました。

いかがでしたか。

この3級を挟んだ、上下級と出題形式を統一させることが図られ、

それにともなって聞き取り試験が大幅に変更されて、聞き取る量が増えました。

この後の筆記試験にどう臨まれたかが気になります。

これまでは、翻訳問題を中心に‘聞いて分かる語句’を問うてきた形から、
文を聞いて、その内容理解を問う形に変わったという、のんきな表現を使ってしまえば、
リスニング試験らしい構成になったともいえますが、
とにかく今まで以上に、試験問題リスニング練習の柱である、

(1)全てを聞き取るリスニング練習(音読・シャドーイング・ディクテーション)

(2)試験問題解答のリスニング練習(正解するために狙いを定めた聴解)

(3)問題用紙記載の選択肢活用法(聞き取りと筆記では選択肢の見方が全然違う)

この3本立てでやっていきましょう。

これらの中で、(2)を実現するために、聞き取り試験の音声が流れ始めたら、

最初の全体説明(56秒)、さらには各問の説明(平均約30秒)の間に、

選択肢を最後まで見ておかなければなりません。

 

今回以降は、問いの説明などは、注意して聞く必要が無いので、

各問の選択肢を、最初の全体説明と、各問の説明の間に、

全て選択肢をチェックしておく練習を、次回試験までに繰り返しておきましょう。

 

 おつかれさまでした。

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